ペンタイト

溶融亜鉛めっき鋼板

用途例

後塗装性に優れた表面組織

亜鉛めっき後の合金化処理により、亜鉛(Zn)–鉄(Fe)系合金層を形成させ、塗装に適した表面粗度にすることで、塗料との密着性を飛躍的に向上させています。

ペンタイトの断面組織

平面粗度の測定結果(触針粗度)

前処理省略により塗装工程を効率化

亜鉛めっき鋼板の表面は平滑なため、塗料との密着性が低く、一般的には前処理工程を必要とします。しかし、ペンタイトは塗装に適した表面粗度にすることで塗膜密着性が飛躍的に高く、前処理の一部工程を削減することが可能です。

塗装工程の比較

優れた溶接性を発揮-1

ペンタイトは、普通鋼材と同様に各種溶接を行うことが可能です。また、合金化処理を施しているペンタイトは溶接条件を適正化することで、他の溶融めっき鋼板に対して優れた溶接性を発揮します。主な溶接法と溶接時の留意すべき点は以下の通りです。

抵抗溶接-スポット溶接

溶接電流を約10%高くし、溶接時間をやや長くとる。加圧力は変えなくても良い。

標準スポット溶接条件(60C/S)

板厚
(mm)
チップ径
(mm)
クラス ペンタイト
亜鉛付着量
(片面g/m2
通電時間(C/S) 加圧力(N) 溶接電流(A)
0.4 3.2 A
B
C
0.5 3.5 A 45
B 45 10 980 7,400~9,000
C 45 10 980 7,100~9,000
0.8 4.5 A 30 15 980 7,500~9,000
B 30 15 980 7,400~9,000
C 30 15 980 7,250~8,800
1.0 5.0 A 30 15 980 7,550~9,000
B 30 15 980 7,400~9,000
C 30 15 980 7,300~9,000

 

板厚
(mm)
チップ径
(mm)
クラス ペンタイト
亜鉛付着量
(片面g/m2
通電時間(C/S) 加圧力(N) 溶接電流(A)
1.2 5.5 A 30
90
20
20
1,470
1,470
9,000~10,900
9,400~10,700
B 30
90
20
20
1,470
1,470
8,100~10,900
9,000~10,100
C 30
90
20
20
1,470
1,470
7,900~10,900
8,800~9,900
1.6 6.5 A 90 35 1,470 9,300~10,200
B 90 35 1,470 9,100~9,800
C 90 35 1,470 8,950~9,600
2.3 7.8 A 90 35 2,940 13,800~15,400
B 90 35 2,940 13,500~15,300
C 90 35 2,940 13,100~15,100
  • 板厚0.5〜1.2mmは冷延鋼板、板厚1.6〜2.3mmは熱延鋼板であり、熱延鋼板は酸洗後に溶接に供しました。

 

優れた溶接性を発揮-2

抵抗溶接-シーム溶接

  • シーム溶接は円形の電極を用いて連続的に抵抗溶接をするもので、スポット溶接時の注意事項がそのまま適用できます。
  • 設備的には電極の変形、汚染の少ない形式(例えばナール駆動方式)のものを使用し、常に電極に注意を払いながら作業することが望まれます。
  • 通常作業で電極の整形無しに良好な溶接ができるのは、300〜500mぐらいです。

アーク溶接

亜鉛めっき材をアーク溶接する場合は、めっきしてない普通鋼と同一条件で、同じ溶接結果が得られます。
作業時に溶接熱により亜鉛が燃焼して白閃光を出すため、過電流と錯覚をおこすことがありますが、めっきのない材料と同条件で溶接してください。

アーク溶接条件の一例

ペンタイト板厚 溶接棒 電流
2.3×2.3mm(突合せ) 日鉄S-13Z 2.6φ 60A
1.6×1.6mm(突合せ) 日鉄S-13Z 2.6φ 50A
2.3×1.6mm(成形品) 日鉄S-13Z 3.2φ 100A

環境に優しいクロムフリー対応

ペンタイトには、後塗装性や溶接性などに優れるC(クロメート)処理と同等の性能を有するZC(無機系クロムフリー)処理製品があります。これにより環境配慮型商品をご提案可能です。

ペンタイトの端面耐食性(一例)

後処理 品質性能イメージ(優 ○ > △ > × 劣)
耐食性※1 耐アルカリ・溶剤性 後塗装性※1 スポット
溶接性※2
潤滑性 耐指紋性
ZC処理
C処理(比較)

試験条件

  • 耐食性: SST24h後の白錆発生率で評価
  • 耐アルカリ・溶剤性: 各対象液中に適正時間浸漬後の外観評価
  • 後塗装性: 耐水2次密着およびSST(120h以上)後の外観評価
  • スポット溶接性: 接触抵抗で評価
  • 潤滑性: ドロービード試験(加圧力3kN)での引き抜き力で評価
  • 耐指紋性: 人工指紋液スタンプ前後の明度差で評価

※1.塗料および塗装条件によって性能は異なります。
※2.各処理で電流条件の適正化が必要です。

 

化成処理の種類と記号(JIS G 3302 表8より抜粋)

化成処理の種類 記号
クロメート処理 C
クロメートフリー処理 NC
無処理 M

※クロメートフリー処理とは、六価クロムを含まない化成処理をいう。

  • クロメートフリー処理(NC)につきましては、クロムを含有しない、ZC処理にて製造し、表示は“ZC”とします。“NC”表示をご希望の場合は、当社までお問い合わせください。

 

受渡当事者間協定による化成処理の種類及び記号

下表は、JIS G3302 6項(化成処理)の規定の「当事者間協定」に該当する化成処理の種類及び記号を示しています。

化成処理の種類 記号
無機系※1クロムフリー処理※2 ZC

※1.無機系とは、無機系溶液で処理したものをいう。
※2.クロムフリー処理とは、クロム成分(六価及び三価)を含まない化成処理をいう。

 

犠牲防食による端面、疵部の耐食性

ペンタイトの切断端面は、電気化学的保護(犠牲防食)機能により、長期間にわたって耐食性を期待することができます。ただし、外観を含めさらなる長寿命化には、補修塗料(亜鉛系補修塗料など)が有効です。 ※ペンタイトで耐食性が不足する場合は、ZAM®/ZP処理をご検討ください。

ペンタイトの端面耐食性(一例)

各板厚および亜鉛付着厚と端面耐食性の関係を調査しました。板厚が薄いとシャー時に亜鉛が覆いますが、厚くなると鉄地の露出が多くなり、赤錆が生じやすい傾向にあります。

板厚(mm)(A) 亜鉛付着厚(µ)(B) 鉄露出(%)※1 塩水噴霧試験(時間) 屋外暴露試験-尼崎(時間)
1 40 100 150 100 432 960
0.40 8.3 98.0 (100) 20 30 50 (50) 70 80
0.40 25.0 94.1 (100) 5 10 30 (5) 30 30
0.80 8.3 99.0 (30) 50 50 70 (50) 70 70
1.20 8.3 99.3 50 70 90 100 (50) 80 100
1.20 25.0 98.0 (100) 10 40 60 (30) 80 80
2.30 25.0 98.9 40 60 80 100 (50) 80 100
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